07/20/2014 2:00 AM ·Spoilers
「深度50に着く。艦傾斜角0度。」青い色をした海の中で響くのは"マホラ"の機関音と、それに同航するTR-BFP型無人潜水艦"ちくわ"のそれだけだ。
07/20/2014 2:03 AM ·Spoilers
敵潜水艦6隻の出現が確認されたのは今から2時間前のこと。我々スティールダイバー部隊は潜水艦隊を扇状に展開し、敵の来襲に警戒していた。
07/20/2014 2:05 AM ·Spoilers
そして俺たちが乗るクラスタシア級攻撃潜水艦五番艦"マホラ"はその陣形の先頭を任されていたのである。先の作戦におけるこの艦の戦果から判断されたのだろう。
07/20/2014 2:13 AM ·Spoilers
しかしカサハラ王子がそう考えるのも無理は無いかもしれない。なぜならカサハラの父親であるセントラルジャッキー株式会社の社長は、業界髄一の変人としても有名であるからだ。
07/20/2014 2:18 AM ·Spoilers
その社長はどんな商品にも人の名前をつけてしまう癖があるらしい。そのためセントラルジャッキー社の商品は、売り場において異様な雰囲気を放っている。"超全自動洗濯機サナエちゃん""高音質イヤホンカオル様""小型ノートパソコンキョウコちゃん"といった具合にだ。
07/20/2014 2:24 AM ·Spoilers
「了解しました。速度抑制、ベント開く。」タウ艦長の指示を受け、ケイは速度レバーを真ん中に戻し、潜水レバーを傾けた。ベント弁の排気音とともに艦が傾き始める。
07/20/2014 2:30 AM ·Spoilers
右後に立つガロイ先生はモニターで現在地を確認した。「ここは"ニライカナイ"と呼ばれる神殿の巨大石柱が何本も立っている。ケイ、気をつけて艦を進めろ。」
07/20/2014 2:43 AM ·Spoilers
そんなシドラを気にせず索敵員は報告する。「艦種と艦名が分かりました。艦種、クラスタシア級攻撃潜水艦。艦名、マホラっ!!」
07/20/2014 2:44 AM ·Spoilers
「マホラ…だと?」シドラはその艦名を聞いて目を見開いた。「ベンパー司令ご指定のターゲットじゃねぇか!そいつ見つけたら真っ先に叩けっつわれてたヤツだな!」
07/20/2014 2:46 AM ·Spoilers
シドラはさっきまでのガッカリした表情から一変して、白い歯を見せて邪悪な笑みを浮かべた。その形相はまるで獲物を見つけた鮫のようだ。
07/20/2014 2:48 AM ·Spoilers
「艦首180度回頭だ!魚雷戦用意ッ!」艦橋内の照明が白から赤に変わった。「本艦はここでマホラを仕留めるッ!その他の艦は二手に分かれて敵の本隊を叩けィ!」
07/20/2014 2:50 AM ·Spoilers
すると、シドラの乗る旗艦"ガーレリオン"の後方についていた潜水艦隊は2隻と3隻の二隊に分かれて、それぞれ違う方向へと散開していった―――。
07/20/2014 2:56 AM ·Spoilers
「魚雷発射菅一番、発射準備完了。」俺は戦術長。最近は"マホラ"が魚雷を撃つ機会が少なくて、腕がなまっていないか心配ではある。「魚雷発射菅二番は次に撃つ。」
07/20/2014 3:00 AM ·Spoilers
「なんだと!?」ケイも艦橋の窓に目を凝らす。「一体何を考えているんだ!?99.32%の確率でこちらに気づいていないわけではあるまい!」
07/20/2014 3:04 AM ·Spoilers
艦首の発射菅から放たれた魚雷は矢のようにして、後進する敵潜水艦めがけて一直線に進んでいく。誰もが命中すると確信していた。
07/20/2014 3:09 AM ·Spoilers
「了解しました。」俺は右にあるボタンを押し、魚雷制御系をオートからマニュアルに変更した。少々作業が複雑になるが仕方ない。「照準あわせ。艦首やや上げ、誤差修正-1.3。」
07/20/2014 3:13 AM ·Spoilers
照準を合わせる作業といっても、オートの場合は一度固定した目標を自動で追尾してくれる。そのためわざわざ相手の動きを読む必要は無いのだが、稀に想定外の動きをする艦が存在するため、マニュアルモードというものが存在するのだ。
07/20/2014 3:15 AM ·Spoilers
しかし、敵潜水艦は魚雷寸前でピタッと後進を止め、"マホラ"が放った魚雷は何も無い空間をただ突き進んでいってしまった。
07/20/2014 3:19 AM ·Spoilers
「ケイ!!回頭だ!!」このまま上を通せば、この"マホラ"は回頭する暇も無く敵に後ろを取られることになる。逆に相手は後進しているから、回頭する必要がない!!
07/20/2014 3:45 AM ·Spoilers
「くそッ!!これで私の出番は終わるのですか!?」ヒガシ艦長、大丈夫だ。君に課せられたのはほんの1週間の営倉入りだ。安心したまえ。
07/20/2014 3:47 AM ·Spoilers
「なんで私の現状は変わらない!次元を超えて、憎むべき投稿者ビックリウォーラスに風邪菌を移してやったというのに!!」そうか、君が犯人だったのか。ならばもう1週間追加してもらおう。
07/20/2014 3:49 AM ·Spoilers
「そうだ。きっと私のファンはあのタウとか言う娘の数億倍はいるはずです。だからその方々が署名を届けてくれれば私は解放される!」もうダメだ。この艦長にスポットを当てるのは当分の間止めよう。
07/20/2014 3:54 AM ·Spoilers
恐ろしい指揮官の罰を見た艦橋の誰もが、次は自分かもしれないと恐れて震えた。残忍なる指揮官シドラ。この男を敵に回すことは、その餌と為ることを意味する。