11/20/2013 6:58 AM ·Spoilers
斬られる度に、私は思い出していた。 今まで出会った、たくさんの人たちを。 斬られて、古傷が開く度に、ひとつひとつ思い出が甦ってくる。
11/20/2013 6:59 AM ·Spoilers
ここに来る前に迷い込んだ樹海では、優しいナルガクルガさんが道案内をしてくれたっけ。 本当に暖かい人だったな。 私にお姉ちゃんが出来たみたいだった。 でも私、途中でお腹が鳴って……意識が途絶えて……
11/20/2013 6:59 AM ·Spoilers
ここに来たばっかりの時は、レウスさんとレイアさんの夫婦が優しく迎えてくれたっけ。 どっちも本当に優しかったな。 私にお父さんとお母さんが出来たみたいだった。 ここで暮らしてもいいよ、なんて言ってくれた。
11/20/2013 7:00 AM ·Spoilers
ダメだよ、レウスさん、レイアさん、一緒に暮らせないよ。 私はそう言おうとした。けど、言えなかった。 あの2人の言葉に甘えてしまった。 一瞬でも、一時でもいいから、家族の温もりを、誰かと過ごす暖かさを感じたかった。 私は必死で空腹になるのを抑えようとした。 意思の力で。精神力で。
11/20/2013 7:00 AM ·Spoilers
空腹になる前に胃に何か入れれば良いんじゃないかと思って、いろいろ飲み込んだ。 だけどすぐに吐き出してしまった。 草も木も飲み込んだ。吐き出した。 石も飲み込んだ。吐き出した。
11/20/2013 7:00 AM ·Spoilers
なんで…どうして…どうして吐き出しちゃうんだろう… 私が泣いていたら、レイアさんが優しく翼で抱きしめてくれた。 辛かったね、と言ってくれた。もう大丈夫だよ、と言ってくれた。
11/20/2013 7:01 AM ·Spoilers
なぜかその時、本当に大丈夫になったんだと思った。 心の奥底では、なにも問題は解決していないって分かっていたのに。 レイアさんは私を安心させるためにそう言ったに過ぎないって分かっていたのに。
11/20/2013 7:01 AM ·Spoilers
レイアさんの胸に顔をうずめて、わんわん泣いた。 レウスさんも後ろから見守ってくれていた。 泣いた。泣き続けた。 今までの寂しさを、孤独感を、苦しみを、全部吐き出した。 ぶちまけた。
11/20/2013 7:05 AM ·Spoilers
私は立ち上がった。 『けっ……ようやくやる気になったかよ』 そんな声が聞こえた気がするけど、私はそこで意識が途絶えた。
11/20/2013 7:06 AM ·Spoilers
村長「………」ふら…ふら…どさっ 村人「うおっ!村長!村長ぉおおおおおおおっ!!!」 村長「………」 村人「おいっ!すげぇ怪我だ!左腕がねぇ!早く止血だ!!」 村人「村長!!村長ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」
11/20/2013 7:06 AM ·Spoilers
その夜、ココット村は大騒ぎになった。 深夜に、左腕を失い、全身を朱に染めた村長がふらつきながら自分の足で帰ってきたのだ。 村長は自分の村に足を踏み入れた瞬間、気を失い、その場に倒れ込んだ。 ~~~~~~~~~~
11/20/2013 7:08 AM ·Spoilers
あの竜人族のおじいちゃんにやられたのかな……そういえば私負けたのかな…… それとも私はあのおじいちゃんを食べてしまったのだろうか。
11/20/2013 7:11 AM ·Spoilers
「あなた……透明になれるの?」 って聞くと、 『はい……へへっ……面白いでしょ?』 って返ってきた。 うん。確かに面白い。顔が。
11/20/2013 7:12 AM ·Spoilers
『そ、そういう姿も…なんとも威風堂々としていて…』 『僕には出来ないことをあなたは平気でやってのけて……そこに痺れる憧れるというか……』
11/20/2013 7:13 AM ·Spoilers
『!?……やっべちょっと顔赤くなってる…!?可愛い…!!』 え…!? 『はぁわわわ、やべ声に出しちゃった…!』 ……と、とにかく、このオオナズチくんは悪い人ではなさそうだ。
11/20/2013 7:13 AM ·Spoilers
『じ、実は、ジョーさんと竜人族との戦いも、ずっと見てました』 そうだったんだ。 戦いの最中のことはよく覚えてない。 どうだったの?って聞いてみた。
11/20/2013 7:14 AM ·Spoilers
『で、ジョーさん、戦いが終わったあと、森に入ってすぐ倒れ込んで…そのまま眠っちまいました』 『で、僕が、薬草とか人間から盗んだ回復薬とかで傷の手当てをしてました』
11/20/2013 7:19 AM ·Spoilers
私は、他の生き物と一緒に過ごせない孤独な生き物であること。 お腹が空くと、見境なく周囲の生物を喰いまくること。 例えそれが友達でも、お世話になった人でも、容赦なく。 だから離れてと。 気持ちは凄く嬉しい。 けど、生き延びたかったら早く私から離れてと。 そう言った。
11/20/2013 7:23 AM ·Spoilers
どくん…! 私の心臓が暴れた気がした。 気持ちが一気に高揚した。 顔が熱くなった。 こんなに猛烈にアタックされたのは初めて。